「説教たれほーだい」

 

 よく居酒屋のトイレなどには「親父のこごと」とか、カレンダー式の「今月の言葉」が張ってある(わがロビンソン社のトイレにも「ご教訓カレンダー」が張ってあるが、これはパロディものだから、ちょっと置いといて)。こういうのが大好きな人って結構多いよね。
そしてどうも「お説教もの」も一種のうんちくではないかと思うのである。
 新潟へ行った時のこと、駅近くのラーメン屋には、カウンター席に向けてでっかい額がかかげてあった。
 題して「足の裏的人生」というのである。いわく、「尊いのは頭でなく、手でなく、足の裏である。一生、人に知られず、一生、汚い処(ところ)と接し、黙々としてその務めを果たして行く。足の裏的な仕事をしてゆく、足の裏的な人間になれ。頭から光が出る。まだまだ、だめ。額から光が出る。まだまだ、だめ。足から光が出る。そのような方こそ本当に偉い人である。明日の人生の、其の一、以上」


 何しろ、ラーメンが出てくるのを待ちながらこそこそメモしたので、少し違うかもしれない。でも概ねこうだった。たぶんこの額は本来、従業員に読ませたいのだろう。でも張る場所がさ、そのぉ、TPOを心得てないぞってカンジ? それに「其の一」って終わり方が不気味だ。「其の二」の出現を予想させるし、「二まで来たなら」ってんで、「其の三」とか「全五編にて完結」ってことになりそうな気がする。
 出てきたラーメンは、気のせいか足の裏的な風味がした。。

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